「もっと自己肯定感を上げなきゃ」「自分を好きにならなきゃ」と焦ってしまい、かえって疲れてしまうことはありませんか? 世間では「自己肯定感が高い人=いつもポジティブで自信満々な人」というイメージが強いですが、心理学の世界では少し異なる捉え方をしています。「自己肯定感の本当の姿」を、少しだけ掘り下げてみたいと思います。
自己肯定感は「自信」とは別物です
私たちがよく誤解しがちなのは、自己肯定感を「能力への自信」や「他人より優れているという実感」と結びつけてしまうことです。しかし、これらは「結果」や「他者からの評価」に依存しているため、失敗したり誰かに批判されたりすると、すぐに崩れてしまいます。
心理学者モリス・ローゼンバーグは、自己肯定感(自尊感情)を測るための「ローゼンバーグ自尊感情尺度」を開発しました(出典:Rosenberg, 1965. Society and the adolescent self-image.)。 この研究における自己肯定感とは、「自分が優秀である」と思うことではなく、「自分は価値のある人間であり、少なくとも他の人と同じくらいには尊重されるべき存在だ」と、静かに認められる感覚を指します。
つまり、テストで100点を取ったり、仕事で大成功を収めたりしなくても、「まあ、ダメなところもあるけど、私という存在そのものには価値があるよね」と思えるベースの安心感こそが、自己肯定感の正体なのです。
SNSで他人と比べて自己嫌悪に陥っていた休日の経験
つい最近も、せっかくの休日に何も手につかず、一日中ソファでダラダラと過ごしてしまったことがありました。 そんな時、ふと開いたSNSで、カフェで勉強している友人や、充実したレジャーを楽しんでいる同僚の投稿が目に入ってしまったんです。途端に「それに比べて私って本当にダメだな」「時間を無駄にしている」と、激しく自分を責める声が頭の中を駆け巡りました。 以前の私なら、そこから数日間は自己嫌悪の沼にハマって抜け出せなかったはずです。でも今回は、「ああ、今はただ家から出たくないくらい疲れているんだな」と、ダメな自分をそのまま受け皿に乗せてみました。 すると不思議なことに、自分を責めていた焦りがスッと消えて、少しだけ心が軽くなるのを感じたのです。
ポジティブにならなくても、肯定できる
「自分を肯定する」というと、常に自分の良いところを探して褒めるような、エネルギッシュな作業を想像するかもしれません。しかし、本当の自己肯定感はもっと静かなものです。
悲しいときは「悲しいんだな」、失敗したときは「失敗して悔しいな」と、ポジティブでもネガティブでもない、等身大の自分をそのまま受け皿に乗せること。それだけで十分なのです。「ダメな自分を無理に好きにならなくていい」という視点を持つと、少し心が軽くなりませんか?
答えを出さずに、いまの気分を置いておく
「今日はなにもできなかったな」と落ち込む日があっても、それはあなたの価値が下がったわけではありません。 どうしても自分を責める声が止まらないときは、その声をそのまま外に出してしまうのがおすすめです。
きれいにまとまっていなくても構いません。「自己肯定感を高める」という目標を今は手放して、ただ「いまの気分を置いておく」ための場所として、まめここのノートを使ってみてください。