SNSを見ていて、ふと「自分って全然だな」と感じる日があります。がんばっていないわけじゃないのに、なぜか心が小さくなる。まず言いたいのは、それがあなたの性格や根性の問題とは限らない、ということです。環境が変われば、心の揺れ方も変わります。
SNSは「比較の母数」を一気に増やします。昔は身近な数十人が比較の範囲だったのに、今は全国・世界の“すごい人”がタイムラインに並ぶ。しかも見えるのは、だいたい“上澄み”です。うまくいった瞬間、可愛い写真、勝てた報告。日常の迷い、地味な努力、失敗の後片づけは映りにくい。だから、こちらの「ふつうの一日」と、あちらの「編集された一瞬」を並べてしまいがちです。
もう一つは「評価の可視化」。いいね、フォロワー、再生数。数字は便利だけど、心にとっては強い刺激です。数字があると、比較が“早く”起きます。「多い/少ない」「伸びた/伸びない」が一瞬でわかる。だから結果として、気づかないうちに“常に採点されている感じ”を作りやすい。しかもSNSは、反応が来るタイミングが一定ではありません。たまに大きく反応が来ると、余計に気になって開いてしまう。これもあなたの弱さというより、仕組みの性質です。
もちろん、SNSが悪いと言い切りたいわけではありません。励まされたり、居場所になったり、学びが増えたりもする。大事なのは「揺れた自分」を責めないこと。そして、揺れやすい場にいると自覚した上で、戻れる場所を持つことです。
小さな一歩
今日だけ「見る時間」を決めてみてください。たとえば夜の20分だけ。決めたら、終わりに一行だけ、まめここに書く。
「今日、できたことは何?」 「今日、守れた境界線は?」
それだけで、評価の外側に戻る足場ができます。
次回予告
第2編は、自己肯定感・自尊感情・自己受容・自己効力感の違いを、短い比喩でほどきます。自分を診断するためではなく、整える方向を見つけるために。